この記事では、Apple Silicon搭載Mac上で UTM を使って AlmaLinux 10.1 をインストールする方法を解説します。 サーバー用途を想定した最小構成(Minimal)でのインストール手順です。
AlmaLinux 10をUTMにインストールする
AlmaLinux 10とは
AlmaLinuxは、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)と互換性のある無料のLinuxディストリビューションです。CentOSの後継として、エンタープライズ用途やサーバー学習に広く使われています。
| 特徴 | 説明 |
|---|---|
| RHELクローン | RHELと1:1のバイナリ互換 |
| 無料 | 商用利用も無料 |
| 長期サポート | 10年間のサポート |
| 安定性 | エンタープライズグレードの品質 |
本記事ではAlmaLinux 10.1を使用しますが、10.x系の他のバージョンでも同様の手順でインストールできます。
この記事について
私はM4 Mac miniでAlmaLinux 10の検証環境を構築し、日常的にサーバー管理の学習に使用しています。この記事では、実際にインストールした経験をもとに、つまずきやすいポイントも含めて解説します。
この記事でできること
- ゴール: M1/M2/M3/M4 Mac上にAlmaLinux 10.1の仮想環境を構築
- 対象読者: Mac初心者、Linux学習者、検証環境を作りたい人
- 所要時間: 約30分(ダウンロード時間除く)
前提条件
この記事を進めるには、以下の準備が必要です。
| 必要なもの | 説明 |
|---|---|
| Mac(Apple Silicon) | M1/M2/M3/M4搭載Mac |
| UTM | インストール済み |
| ストレージ空き容量 | 最低20GB以上 |
UTMのインストールがまだの場合は、以下の記事を参照してください。
検証環境
本記事の作業手順は、以下の環境にて検証を行いました。
| ゲストOS | ホストマシン | アーキテクチャ | UTMバージョン |
|---|---|---|---|
| AlmaLinux 10.1 | Mac mini M4 Pro(macOS Tahoe 26.2) | aarch64(ARM64) | 4.7 |
AlmaLinux 10のISOイメージをダウンロードする
ダウンロード手順
- STEP
AlmaLinux公式サイトにアクセスする
- STEP
「AlmaLinux 10」を選択する
- STEP
アーキテクチャで「aarch64」を選択する
- STEP
「Minimal」のISOをダウンロードする
ISOの種類と選び方
| ISOの種類 | サイズ | 用途 |
|---|---|---|
| Minimal | 約2GB | サーバー用途(本記事で使用) |
| DVD | 約10GB | GUIを含む全機能 |
| Boot | 約1GB | ネットワークインストール用 |
Apple Silicon Macでは必ず aarch64(ARM64) 版を選択してください。
ダウンロードするファイル
AlmaLinux-10.1-aarch64-minimal.isoUTMで仮想マシンを作成する
UTMでの仮想マシン作成の基本手順は、以下の記事で解説しています。
AlmaLinux 10用の設定例
| 項目 | 設定値 |
|---|---|
| 名前 | AlmaLinux 10.1 |
| 方式 | 仮想化 |
| OS | Linux |
| メモリ | 4096 MB |
| CPU | 2コア以上 |
| ストレージ | 50 GB |
| 起動ISOイメージ | AlmaLinux-10.1-aarch64-minimal.iso |
AlmaLinux 10をインストールする
インストーラーの起動
仮想マシンを起動すると、ブートメニューが表示されます。
「 Install AlmaLinux 10.1 」を選択してEnterキーを押します。
Anacondaインストーラーでの操作
インストーラー(Anaconda)が起動したら、画面の指示に従って設定を行います。
上記ページの手順を完了後、このページに戻ってきてください。
インストール後の設定
ISOイメージの解除
インストールが完了したら、起動ISOイメージを解除します。
- STEP
仮想マシンを停止する
- STEP
仮想マシンの設定を開く
- STEP
CD/DVDの項目を「空」に変更する
- STEP
設定を保存する
ISOを解除しないと、再起動時に再びインストール画面が表示されます。
動作確認
インストールが正常に完了したか、以下の項目を確認します。
ログイン確認
仮想マシンを起動し、インストール時に作成したユーザー名とパスワードでログインします。
Minimal構成でインストールしたため、GUIではなくCUI(コマンドライン)のログイン画面が表示されます。
| 入力項目 | 内容 |
|---|---|
| login | インストール時に作成したユーザー名 |
| Password | インストール時に設定したパスワード |
パスワードを入力しても画面には何も表示されませんが、正常な動作です。入力後にEnterキーを押してください。
OSバージョンの確認
ログイン後、AlmaLinux 10.1が正しくインストールされているか確認します。
cat /etc/os-release
以下の出力が確認できれば、AlmaLinux 10.1が正常にインストールされています。
NAME="AlmaLinux"VERSION="10.1 (Heliotrope Lion)"ID="almalinux"VERSION_ID="10.1"ネットワーク接続の確認
インターネットに接続できるか確認します。
ping -c 3 google.com以下のような応答があれば、ネットワーク接続は正常です。
PING google.com (142.250.xx.xx) 56(84) bytes of data.64 bytes from xxx.xxx.xxx.xxx: icmp_seq=1 ttl=117 time=10.5 ms「Name or service not known」と表示される場合は、ネットワーク設定を確認してください。
ディスク容量の確認
割り当てたディスク容量が正しく認識されているか確認します。
df -h/(ルート)のサイズが設定した容量に近い値であれば問題ありません。
動作確認のまとめ
| 確認項目 | コマンド | 成功の目安 |
|---|---|---|
| ログイン | - | プロンプトが表示される |
| OSバージョン | cat /etc/os-release | AlmaLinux 10.1と表示 |
| ネットワーク | ping -c 3 google.com | 応答がある |
| ディスク | df -h | 設定した容量が認識されている |
すべての確認項目が正常であれば、AlmaLinux 10.1のインストールは完了です。
次のステップ
トラブルシューティング
インストーラーが起動しない
症状: ブートメニューが表示されず、画面が真っ黒のまま
対処法:
- ISOファイルが正しく設定されているか確認
- UTMを再起動して再度試す
- ISOファイルを再ダウンロードする
「Test this media」でエラーが出る
症状: ISOの整合性チェックで失敗する
対処法:
- ISOファイルが破損している可能性があるため、再ダウンロード
- ダウンロード時にチェックサムを確認する
画面が真っ黒で何も表示されない
症状: VMを起動しても何も表示されない
対処法:
- 数分待つ(起動処理中の可能性)
- UTMのディスプレイ設定を変更(「virtio-gpu-pci」に変更)
- メモリ割り当てを増やす
ネットワークに接続できない
症状: pingコマンドでエラーが出る
対処法:
# ネットワークインターフェースを確認ip addr
# DHCPでIPアドレスを再取得sudo dhclientUTMのネットワーク設定が「共有ネットワーク」になっているか確認してください。
動作が非常に遅い
症状: 操作に対する反応が遅い
原因と対処法:
| 原因 | 対処法 |
|---|---|
| x86_64版ISOを使用している | aarch64版を使用する |
| メモリ不足 | 割り当てを増やす(4GB以上推奨) |
| 仮想化ではなくエミュレーション | UTM設定で「仮想化」を選択 |
よくある質問(FAQ)
Q. なぜaarch64版を使うのですか?
Apple SiliconはARMアーキテクチャのため、ARM版(aarch64)のAlmaLinuxを使用します。x86_64版を使用するとエミュレーションになり、動作が非常に遅くなります。
Q. AlmaLinuxとRocky Linuxの違いは?
どちらもRHELクローンで、機能的にはほぼ同じです。
| 項目 | AlmaLinux | Rocky Linux |
|---|---|---|
| 運営 | AlmaLinux OS Foundation | Rocky Enterprise Software Foundation |
| 初リリース | 2021年3月 | 2021年6月 |
| 特徴 | CloudLinux社が支援 | CentOS創設者が主導 |
どちらを選んでも問題ありませんが、本サイトではAlmaLinuxを使用しています。
Q. Minimal版とDVD版、どちらを選ぶべき?
| 用途 | 推奨ISO |
|---|---|
| サーバー用途 | Minimal(本記事で使用) |
| デスクトップ用途 | DVD |
| 学習・検証 | Minimal |
サーバー用途やLinux学習目的なら、Minimal版で十分です。必要なパッケージは後からdnfコマンドでインストールできます。
Q. インストール後にGUIを追加できますか?
はい、以下の記事でGNOMEデスクトップのインストール方法を解説しています。
Q. 物理サーバーにも同じ手順でインストールできますか?
基本的な流れは同じですが、以下の点が異なります。
- ISOをUSBメモリに書き込む必要がある
- x86_64サーバーの場合はx86_64版ISOを使用
- ネットワーク設定が環境により異なる
Q. 仮想マシンにどのくらいのリソースを割り当てるべき?
用途に応じた目安です。
| 用途 | メモリ | CPU | ストレージ |
|---|---|---|---|
| 最小構成(学習用) | 2 GB | 1コア | 20 GB |
| 開発環境 | 4 GB | 2コア | 50 GB |
| Docker実行 | 8 GB | 4コア | 100 GB |
まとめ
- STEP
AlmaLinux 10.1のaarch64版ISOをダウンロード
- STEP
UTMで仮想マシンを作成
- STEP
ISOから起動してAnacondaでインストール
- STEP
インストール後にISOを解除
- STEP
ログインして動作確認
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